不器用な僕等の唄を

それから離れるというのは、あたしなりのけじめ。

「座んねぇよ。そんな寒暖の差が激しい場所。」

「だったら冷暖房つけなきゃ良いハナシでしょう?」

「お前がつけんだろうが。」

「…つけない。我慢する。」

頑固になってみる。

それでも雪比良は座らないらしく、あたしの隣から動かない。

緩んだネクタイから鎖骨が見える。

ムカつくくらい、綺麗な人間。

ドウシテキミニハ傷ヒトツ無インデスカ?

そう、聞きたくなる。

あたしの両肩には、赤く腫れて残る傷跡がある。

中2の時、馬鹿みたいに暴れた時の代償。



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