不器用な僕等の唄を
轟はいつも、最初の一言を言う時にみんなに目を向ける。
いつもその行動に微笑んでしまう。
他人を一番でなくても、考えられるのは優しい証拠だと思った。
「みなさん初めまして!…」
あたしもそういう人間になりたかった。
無事にライブが終わり、各楽器の片付けを済ませる。
「透子、予定ないんなら一緒にまわろーよ?後藤達もいるけど。」
後藤は、よく夜に紘波と一緒にいる男子の1人。
矢祇第2号みたいな奴。
「そうする。」
さっきの事をゼロにしないとしても、気にせずに話しかけてくれんのはありがたい。