不器用な僕等の唄を
「おかえり、お姉ちゃん。」
葛さんがキッチンに居る。
ここまで入ってきたあたしを不思議に思ったのか、
「お腹空いた?夕飯もう少しで出来るから、我慢してて。」
そう言いこっちを見る。
「…どうしたの?何かあったの?」
床にばかり視線がいくあたしを見ている。
虚ろで色のなくなった瞳を。
全てを放棄してしまいたい。
悲しみや苦しみだけでなく、嬉しさや楽しみさえも。
「あ、あたし…。」
さっきから涙が止まらない。
涙腺が壊れたのかもしれない。
「、もう学校行かない…!」
我が儘を吐き出した。