不器用な僕等の唄を
あたしは轟みたいに自分を伝えるという発想も、桔梗みたいに訴える度胸も、香坂みたいに吹っ切れる勇気も無い。
紘波みたいに傷つける気も無く、野田みたいに優しい気持ちも持てない。
中途半端で臆病。
「じゃあね。学校、ちゃんと来なよ。」
ベシッと頭を叩くと、紘波は踊る人の波に消えていってしまった。
「よくこんな所で話してられるな。」
急に近くで話しかけられて横を向く。
「な…っ。」
なんでここに?
「何言ってるか聞き取れねぇんだよ。出よーぜ?」
…雪比良が。
いつから!?
どこから!?