不器用な僕等の唄を
雪比良は至って冷静で、あたしの手首を掴んで外に出る。
もしかして普通っぽく見えて実は遊び人!?
まぁ…極悪には見える時がたまにあるけど。
「はなっ、離して!」
あたしの叫び声に足を止めた。
「なんだよ?」
「こっちの台詞だから。なんで此処に…。」
「あいつに呼ばれた。」
あいつって…紘波か。
あたしは動揺したまま、手首だけはしっかりと掴まれている。
…どうやら嵌められたらしい。
「なんで学校来ねぇんだよ?」
心配げに覗き込む瞳。
それは勘違いしてしまいそうで。
思わず視線を逸らす。