不器用な僕等の唄を
悪いのはあたしではないと思う。
こうやって、忘れたくても気持ちは湧き上がるように増える。
「…ムカつく。」
「あ?」
「もう嫌。雪比良と顔あわせたくない!」
気づいた時にはもう遅い。
歓迎会の時と同じように手を振り払って逃げる。
悪循環ばかり、引き起こしてる。
何がしたいの?
あたしが今、一番自分に問いただしたい。
運動しない体に全速力はキツくて、息切れしながら家に帰る。
紘波と殴り合いみたいになった修学旅行の時も死ぬかと思っていた。
「…おかえり。」
待っていたわけではないみたいだった。