不器用な僕等の唄を
Ⅳ
学校まで行くのにひと苦労。
そして…
「お久しぶりです、音宮先輩!」
轟が嬉しそうな顔をして歓迎してくれる。
「うん、久しぶり。」
笑って答えると、嬉しそうな顔が少し強張る。
「…音宮先輩、なにかありましたか?」
「うん?」
何故それを聞く!?
「いえ…なんでもないです。」
あたしが学校に来るのを予測していた紘波は、さほど驚くこともなく。
対照的に驚いていたのは野田の方。
「透子ちゃん!入院して死にそうだったんじゃないの!?」
「どういう噂…。」
キシキシと骨が軋むくらいギュッと抱き締められた。