不器用な僕等の唄を




学校まで行くのにひと苦労。

そして…

「お久しぶりです、音宮先輩!」

轟が嬉しそうな顔をして歓迎してくれる。

「うん、久しぶり。」

笑って答えると、嬉しそうな顔が少し強張る。

「…音宮先輩、なにかありましたか?」

「うん?」

何故それを聞く!?

「いえ…なんでもないです。」

あたしが学校に来るのを予測していた紘波は、さほど驚くこともなく。

対照的に驚いていたのは野田の方。

「透子ちゃん!入院して死にそうだったんじゃないの!?」

「どういう噂…。」

キシキシと骨が軋むくらいギュッと抱き締められた。



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