不器用な僕等の唄を

あたしは避けられているらしい。

立ち上がると、轟はピクリと反応して怯えた顔で見る。

「なによ?」

「音宮先輩…スマイルは?」

「あたしのスマイルは1回1万だから。」

そう笑って、部室を出た。










着いたのは裏庭のベンチ。

よく昼休みに、そこに野田が1人きりで昼飯を食べているのを見た。

そこに横になっている男子が1人。

「…部長。」

眉を顰めて片目を開ける。
自分に自信がある奴しか出来ない仕草。

「…あ゙!?」

それでも『あ』には濁点をつけるらしい。



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