不器用な僕等の唄を
こんなこと、するから。
抱きしめられる力が強すぎて気を抜くとベンチに倒れこみそう。
「…あのさ?お取り込み中のとこ悪いんだけど。」
急に隣から声がした。
阿久津サンだった。
あたしは青くなって、雪比良から離れようとする。
「…んだよ?」
「栄、来週…。」
頭がグラグラする。
何でこの人達こんな体制なのに普通に会話できるの?
「暴れんな。」
必死に抵抗してこの場を去ろうとしたあたしを一睨みし、ベンチに座る。
「あたし、邪魔だから部室に帰りたい。」
「部長を連れ戻しにきたんじゃないのか?」