不器用な僕等の唄を

「あたしってそんなに信用ならない?」

いつもの調子で話す。

本当は嬉しくて声が裏返ってしまいそう。

「お前がじゃなくて。肯定された現実が。」

雪比良は目を伏せた。

相手に想いが通じるってとても素晴らしい。

色んな人にあたしは幸せ者なのだと知らせに行きたい。

でも、気を抜くと涙がポロポロと零れた。

「…何で泣いてんだよ?」

「う…嬉しくて。やだ。怖い、すぐ死んでしまいそう。」

「縁起悪いなオイ。」

呆れた笑いが聞こえる。

そして温もりが肩を包む。

頬に雪比良のYシャツが当たる。



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