不器用な僕等の唄を

すぐに背中に手を回した。

雪比良は意外に華奢だ。
このあたしが言うんだから、間違いない。

「…折れそう。」

その割にはさっきより優しく抱き締める雪比良。

「簡単には折れないよ。」

「折らせねぇよ。」

笑って。
泣いて。
喜んで。
辛くて。

また、笑うの。


唇をそっと重ねる。



「…ねぇ、もしかして泣いてる?」

その言葉に、隠すように雪比良はまたあたしの肩に顔を埋めた。






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