不器用な僕等の唄を

心の穴を埋めるのは自分で、何で埋めるのかも自分で決める。

あたしはそれを優しさで埋めていきたいと思う。

「だから、人に優しく生きていきたい。
感謝した分だけ、今から返していけるように。
あたしにとって青春は、優しさです。」

…なに語ってんだか。

正気に戻る。

あー馬鹿。恥ずかしい。後で絶対に紘波にいじられる。

舌打ちをした。

「せ、先輩?」

後ろから轟の怯えた声。

「なんかもう、サッサと終わらせたいので歌います!『ブルースプリング』!」

湧き上がる歓声と、体の内に響く音楽。

ここはあたしの居場所だ。






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