不器用な僕等の唄を
始めは、「ありがとう」か「ごめんね」か。
迷うに迷った。
「なぁ。」
急に後ろから声が聞こえて驚く。
後ろは茉莉の席のはずなのに、男子の声がする。
「話ってなに?」
振り返れば、驚いた私の顔に呆れる青。
「…あ、ありがとう。」
「は?」
あぁ、まただ。
過程よりも結論を言ってしまう私は、きっと馬鹿なんだ。
「心配、してくれてたみたい…だから。でも、私好きでクラスメートに優しくしてるし、傷ついたりはしないよ?」
「うわ…先輩言ったな?」
心底悔しそうに青は唇を噛む。