不器用な僕等の唄を
24℃シンフォニー。
Ⅰ
ピ、とタイマーが止まって現実にかえる。
現実には、ハァハァと息を切らして何度も走った所為で踵が痛い自分がいる。
「暑い。」
ビシッと太陽に向けて、指差す茉利。
私はそれに笑う。
「太陽に文句言っても。それに、茉利がプールする為に晴れろって昨日、」
「てるてる坊主作りまくった!」
「…ほら。」
呆れて笑いが出る。
それでも、燦々と輝く太陽は変わらない。
高校に入って、陸上部に入部した。
お姉ちゃんが出来ないことを出来てみたいと思ったから。