不器用な僕等の唄を

ローファーはあった。

でも、時々お姉ちゃんは夜遊びに行く。

それに対して、お母さんは何も言わない。


私の家は再婚している。

私はお母さんの連れ子でお姉ちゃんはお父さんの連れ子。

中学入り立ての頃、お母さんがもう一度結婚したいと言って連れてきたのは…若い男の人。

お母さんも若い方だと思っていたけど、もっと若くて、かっこよかった。

「お姉ちゃんが出来るわね。」

嬉しそうに言ったお母さん。

新しい家の車の倉庫の陰に潜むように座って、新しいお父さんに呆れたように肩を竦めた人。



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