不器用な僕等の唄を

顔だけじゃない。

綺麗な顔、不健康そうな白い肌、耳に光るブラックローズのピアス。

「…初めまして。」

警戒してるような声が聞こえる。

「は、初めまして…。」

「名前は?」
「桔梗です。あの…」

「透子(トオコ)。」

睨むような瞳がこっちを向いた。

「あんまり素直じゃないけど、よろしくな。」

お父さんが言う。

「うっさい、早く向こう行きなよ。」

その口の悪さに、少し驚いた。

お姉ちゃんの言葉にお父さんは、家に入って行った。

「お父さんと仲良いんだね?」

敬語を使わずに話しかけてみる。



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