不器用な僕等の唄を


終業式当日は、お弁当持参で部活があった。

「高橋、成績どうだった?」

たまたま見た高橋に声をかける。

「ふつー乃至(ナイシ)ヤバい。」

「乃至って…。」

難しい言葉知ってるなぁ…。

「お前は?」

「ん…あんまり。」

日本語って曖昧。

だって、良かったと悪かったの間に何個も言い方がある。

…日本語ってズルい。

「あれ?今日はフラオブ練習ないの?」

後ろから声がして振り返れば、茉莉がいた。

「休むって言ってきた。」

高橋は喉を鳴らしながらスポーツドリンクを飲み干す。



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