不器用な僕等の唄を
「良いよね。夜、遊んでるのに、成績も良いし、美人だし、みんなお姉ちゃんを好いてる。」
口から出た言葉は、嫉妬を含む本音。
「…なに?」
さっきの「ただいま」と変わらないトーンの声でこっちを見る。
それに何かがキレた。
私は結構温厚な方で、喧嘩も全然しない。
でも、何故か。
「何もかも持ってるお姉ちゃんはきっと、生きてて足掻いた事なんてないんだろうね。」
そんな酷いことを言ってしまった。
「…そう見えるんだったら、そう思うまでじゃない?」