不器用な僕等の唄を

心のどこかでは、そう感じてもいた。

人って、全く思わないことを口に出来るほど上手く生きていない。


重くなっていく足が、ついに止まった。


けど、あんな事を言ってお姉ちゃんを否定したかったわけじゃない。


絆創膏が貼ってある足は逃げるように方向転換した。

そしてそのまま、バスに乗って。

単純に夏だから、海の見える場所に行きたい。




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