不器用な僕等の唄を
飽きずにずっと歩いていると、夕日が海に反射してるのに気付いた。
綺麗。
カメラにおさめてしまうと、忘れてしまいそうな景色。
「…血のように紅く染まる夕日。」
突然、後ろから声がして振り返る。
見知らぬ男の子の姿。
「…え?」
「桜も言うよね。あの薄紅は根の方に死体が埋まってるからだって。」
すごい不気味なのだけど!
内容が内容なだけに、私は後ろに後ずさった。
「ぼく、お母さんは?」
「ぼくって…そんな年に見える?」
確かに年下には見えるけど、中学生くらい。