不器用な僕等の唄を

「中三。」

「あ、そうなんだ。私と一歳しか変わらないね?」

「知ってるよ、アナタの学校。フラオブあるよね。」

少年は、砂浜に座る。
私も隣に座ってみた。

フラオブってやっぱり、有名なんだ。

校外でもライブやってるって聞いたことがある。

「キミ、帰らなくて良いの?もう結構遅いよ?」

周りは確かに明るいけど夏は日が長い。

もう7時くらいになると思う。

「帰らないよ。」

「え!?家出!?」

「そう。家出。」

サラッとした顔で、少年が頷く。

中学生で家出…って、反抗期?



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