不器用な僕等の唄を
微笑んだ。
お姉ちゃんが笑うみたいに、見えたら良いなと思った。
カイは息を吐いた。
溜め息か深呼吸か。
「…帰ろっか、遅いし。」
呆れたように、カイは笑う。
「うん。」
カイの家はマンションで近いらしい。
いや、実際海から歩いて5分もなかった。
「…桔梗さんの嫉妬ってさ。」
さっきのお返しなのか、マンションの前で立ち止まる。
「何?」
「きっと、憧れて羨ましいって言えないから嫉妬なんじゃないの?」
年上だから、送ってあげる、なんて言ったものの。