不器用な僕等の唄を
やはり夜遊びに行っていたらしく、綺麗な服を着ていて。
「…お姉ちゃん。わた、私…。」
「ここまで来て、何やってたの?」
謝りたい。
謝って、本当は憧れてたんだって言いたい。
「う…海、見てた。」
「あぁ、海。」
「お姉ちゃん、ごめんね。」
「変な子。」
小首を傾げたお姉ちゃんは、来た道を戻っていく。
私はその後についた。
「夏の海って、大体24℃なんだって。」
風が吹いて、潮の香りがする。
澄んだ声は夜に溶けていく様。