不器用な僕等の唄を

コンビニに吸い寄せられるようにお姉ちゃんは、足の方向を変える。

店内の涼しい気温に、首にかいた汗が乾いていく。

「何買うの?」

時計を見たら、もう2時になっていた。

明日の陸上の練習は休もう。

既に足を止めたら、睡魔が襲ってきそう。

「あ。」

私の問いに答えず、ドリンクコーナーに行ったお姉ちゃんはミルクティーにかけた手を止めた。

「どうしたの?」

「それ。」

指差す先には、緑色のパック。

「ゴーヤ…ジュース?」

…夏バテに効くらしい、あれ。



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