不器用な僕等の唄を
…ないかもしれない。
初めて会った時、『あの人』と呼んでいた。
「あたしとあの人ね、血が繋がってないの。」
その言葉に私は、眉を顰める。
どうして?
確かに、お姉ちゃんの家族を聞いたことがない。
「…なのに、あの女と結婚して、あたしを救ってくれた。」
「…本当?」
「昔、知り合いに調べてもらった。」
悲しい瞳ではないはず。
顔も見れないけど、何故か、私が泣いてしまいそう。
「…どうして、教えてくれたの?」
「家族だから。」
即答。