不器用な僕等の唄を

血が繋がってないから、名前で呼んで。

家族だから、秘密を教えてくれて。

嬉しくて私はお姉ちゃんの白い腕に抱きついた。

「ちょ…何っ!?」

「お、お姉ちゃ…。」

「何で泣いてんの?」

眉間に皺を寄せたお姉ちゃんは、少し近寄り難いイメージを持たせる。

「嬉しくて泣いてるの。」




海に光が反射する。

朝日が昇ってきた。

眩しげに目を細める。





夏休みは、始まったばかり。



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