不器用な僕等の唄を
夜、付き合いで繁華街の方へ行けば、珍しく外でトーコさんを見た。
『CLOWN』というダーツバー。
ヒロナさんの知り合いの人が個人経営してるみたいで、ヒロナさんやトーコさん世代の人の溜まり場になっている。
そんなトーコさんが外に出るのを見るのは珍しくて。
「こんばんは。」
友達は嬉しそうに、挨拶をした。
「よっ!」
トーコさんの隣を歩くヒロナさんが手を挙げる。
ヒロナさんは社交的で、ちゃんと挨拶を返してくれるけど、トーコさんは聞こえなかったように通り過ぎる。