不器用な僕等の唄を
あぁ…そうか…。
桔梗の姉はトーコさん。
夜の街にトーコさんは出るけど、桔梗は出ないのは生い立ちの違いだけではないかもしれない。
「分かった。その代わりに高橋に守ってもらうんだよ?」
その言葉に、首を傾げる桔梗。
小動物のようで可愛い。
「なんだよ?」
後ろから聞こえる声は、高橋。
「呼んでないよ。」
あたしは言う。
「今言ってた。」
「あ、桔梗をよろしくねって話。」
はぁ?
こちらを向く顔がそう言っている。
…んとに、鈍い二人。