不器用な僕等の唄を

さっきヤギさんが出ていった扉から出てきたのは青。


「良かったね、たどり着けて。」

「…心なしか、貶されてる気がする。」

「まさかまさか。青が方向音痴だからここまで戻ってこれないだなんて、これっぽっちも」

思ってるけどね。


無言で隠した言葉を、青はすぐに察知したらしくて顔をしかめる。

確かに部長に似て美形だけど、オーラが違う。

部長の方は不機嫌っぽくて、青は普通。

それにきっと…、こんな事を言っちゃいけないけど、青の方が優しい。

「今日、日直?」



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