【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
二人で『せーの』で火を点けて線香花火を始める。
ぱちぱち、と静かに火花が弾ける音が暗闇に響き、その音が優しくて、なんだか無性に泣きそうになる。
真剣なナツは、話すこともなく一生懸命火の玉を落とさないようにじっとしているようだ。
きっと、私の苦しい想いなんて、この眩しいくらいに輝く人には分からない。
隣から感じる温もりだけが隣にナツがいることを証明してくれている。
苦しいけど、こんな想いばかりだけど、ナツが隣にいる。
私は花火の音と、自分の心境と、ナツの温度に優しい気持ちと寂しい気持ちの半々になって、再び火の玉に目線を戻した。
「……あ」
私が目線を向けて少しした後、火の玉が落ちた。
その瞬間、寂しさが溢れるように、私の左目からも涙が零れた。
ぱちぱち、と静かに火花が弾ける音が暗闇に響き、その音が優しくて、なんだか無性に泣きそうになる。
真剣なナツは、話すこともなく一生懸命火の玉を落とさないようにじっとしているようだ。
きっと、私の苦しい想いなんて、この眩しいくらいに輝く人には分からない。
隣から感じる温もりだけが隣にナツがいることを証明してくれている。
苦しいけど、こんな想いばかりだけど、ナツが隣にいる。
私は花火の音と、自分の心境と、ナツの温度に優しい気持ちと寂しい気持ちの半々になって、再び火の玉に目線を戻した。
「……あ」
私が目線を向けて少しした後、火の玉が落ちた。
その瞬間、寂しさが溢れるように、私の左目からも涙が零れた。