【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
筋肉質な胸板に、割れた腹筋。だけど浮き出た肋骨が、ナツが細いことを物語っていた。


こんな風にナツの体をじっくり見ることになるなんて、数時間前までこれっぽっちも思ってなかった。もう、最初で最後かもしれない。


「やだな。そんなに見ないでよ。なんか恥ずかしい。エッチ」


どこか艶っぽいナツは、その雰囲気とは不釣り合いな優しい笑顔を向けた。


「俺ばっかり見せるのもあれだし、今度は冬花の番、ね?いいでしょう?」


「……ん」


ナツは優しい笑顔から一転、今度は艶っぽい笑顔に切り替わり、やがてその顔は、ぷっくりとした唇は、私の唇に噛み付くようなキスを落とした。


さっきの焦らすような触り方とは違う、本能的に求めるような、激しく煽るキス。
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