【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
ナツと共有する熱帯夜、汗ばむ体温が、ナツと溶け合う身体が……その、全てが。
熱い。身体の中心が、熱い。アツイ。あつい。
「フユ……っ!」
ナツが苦しそうな顔をしてる。
ねえ、お願いだからそんなに苦しそうな顔をしないで。
ナツは軽いようで、実際はそんなに軽くないから。だから辛いんだよね。
でも、いいよ。私を抱いたこの夜は、私だけが覚えておくから。
私のことは、ナツにとってお店で試着した洋服くらいに思ってくれていいからね……。
この日を、このひと夏を、ナツは広がる青の彼方にでも、流して消してしまえば良いんだよ。
その代わり、私は全部を、一瞬たりとも見逃さないし忘れない。頼まれても、それだけはきっと出来ないよ。
熱い。身体の中心が、熱い。アツイ。あつい。
「フユ……っ!」
ナツが苦しそうな顔をしてる。
ねえ、お願いだからそんなに苦しそうな顔をしないで。
ナツは軽いようで、実際はそんなに軽くないから。だから辛いんだよね。
でも、いいよ。私を抱いたこの夜は、私だけが覚えておくから。
私のことは、ナツにとってお店で試着した洋服くらいに思ってくれていいからね……。
この日を、このひと夏を、ナツは広がる青の彼方にでも、流して消してしまえば良いんだよ。
その代わり、私は全部を、一瞬たりとも見逃さないし忘れない。頼まれても、それだけはきっと出来ないよ。