【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
昨日のTシャツのまま下に降りると、そこにはもう寮の住人の高校生達が集まっていた。


その中には、既にカズの姿も。


「おはよう。カズ、アヤん家に泊まったんじゃなかったっけ?」


「ん?おはよっス。泊まりましたけど、朝一で帰ってきましたよ?何で?」


平然な顔で言ってのける辺り、多分何もなかったのだろう。


進展を期待していただけにちょっと残念。


仮にも年頃の男女なのに、しかも、アヤみたいな美人に手を出さないなんて、実はカズは女性には興味の無い人種なのかな。


それとも、アヤ結構酔っ払ってたし、帰宅早々寝ちゃったのかな。そっちの方が可能性としては高そう。


なんてぼんやりと心の中で思いながら、目の前のナツ特製の味噌汁に手を伸ばした。
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