【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
中に入ると、部屋は明るくて、ベッドにナツが横たわっている。


「ナツ、そのまま寝てたらいくらなんでも風邪、引くよ?」


「んん……」


私の呼び掛けに、ナツは夢の中から戻っては来ない。


唸って唇をふにゃふにゃと動かすナツはあまりにも無防備で、可愛い。


きっと私やバイトの二人より、何倍も疲れが溜まっているはずだもんね。


部屋で疲れがピークに達してそのまま寝てしまうことだってあって当然だ。


私はナツにタオルケットをかけてあげると、部屋を軽く見回した。


この間はちゃんと部屋観察出来なかったし、少しくらいいいよね。


私はナツの部屋に好奇心を抱き、物は触らないようにして観察することにした。
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