【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
そして翌日。朝から、寮の前にはアヤが迎えに来てくれていた。


「ゲッ!カズ、なにその服!ダッサ!」


「何言ってんスか?Tシャツスキニージーンズは究極のオシャレなんスよ?アヤさんこそいかつい!ゴッテゴテじゃないっスか!」


賑やかな二人に挟まれ、私は苦笑い。きっと、この二人と並んで歩いたら目立つだろうな。


なんて思いながら、それでも楽しみつつ、私は後部席に乗り込んだ。


車が走り出してからも、二人の言い合いは止むことを知らない。


ホント、賑やかな二人だ。早くくっついてしまえばいいのにと思ってしまう。


なのに、変に両方とも慎重だからなのかな。多分、勢いときっかけさえあればすぐに進展するのにな。
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