【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
虫や爬虫類が特別苦手なわけじゃないけど、流石に生の蛇は怖い。


「大丈夫だよ、アイツ、アカマタって言って無毒だから。触ったって死にゃしないよ」


「いや、無毒でも無理!だってほら!威嚇してるし!」


怖がる私に、ナツはへらへらっと笑って蛇に近寄り、ニコニコと私を見る。


「大丈夫大丈夫。可愛いもんだろ……って、イテテテテ!」


何を思ったか蛇を捕まえたナツだったけど、逆に蛇に噛まれている。


ぶんぶん振ってもなかなか蛇が離れなくて。離れた頃にはナツは脱力していて、私は笑いすぎてお腹が痛くなっていた。


ああ、久し振りににこんなに笑った。ほっぺたも、お腹も、このまま落ちてしまいそうなくらい痛い。
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