【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−

性格も見たまんま。大人しくて、ぼそぼそと聞き取りにくい喋り方をする。


「アオ先生な、同じ学校の六年生の担任なんだけど、仕事のし過ぎで栄養失調になっちゃったんだよ。だからうちで引き取ったんだ。このまま死んだらヤバイでしょ？」


「……ふぅん。勝手にすれば？」


お父さんはこんな性格だし、私が嫌だと言っても住まわすだろう。


私はその一言だけ残し、晩御飯を食べるのを再開した。


視界の片隅で、その人が会釈したのが何となく分かった。


こんな人が教師だなんて大丈夫なのかな。朝ご飯食べないとダメだよ、なんてこの人に言われたら笑ってしまいそうなものだけど。


まあ、お父さんと同じ職場の教員の人だし、悪い人じゃないよね。なんて、軽い気持ちを持ってして、同居生活はスタートした。