【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
「なんで笑ってんの?ここは、感動したり、それどういう意味って疑問に思うとこじゃない?」
「いや……まあ、そうなんだけど。なんか、昔も今も変わらないなって思って」
私の言葉に目をぱちぱちさせるナツを見ていると、クスクス笑いが止まらなくなってしまった。
次第に、ナツも円い音を喉仏から出して、やわっこく笑い始める。
「……ま、いっか。冬花が笑ってくれている。俺はそれだけで十分だ。俺は冬花が笑ってくれるだけで幸せになれちゃう、単純な男なんだから」
「うん。私も同じ、かな」
ナツはキラキラとしたとびきりの笑顔を向けると、私の体をギュッと抱きしめた。
五年分のその想いを全部私に伝えるように、ギュッと。
「いや……まあ、そうなんだけど。なんか、昔も今も変わらないなって思って」
私の言葉に目をぱちぱちさせるナツを見ていると、クスクス笑いが止まらなくなってしまった。
次第に、ナツも円い音を喉仏から出して、やわっこく笑い始める。
「……ま、いっか。冬花が笑ってくれている。俺はそれだけで十分だ。俺は冬花が笑ってくれるだけで幸せになれちゃう、単純な男なんだから」
「うん。私も同じ、かな」
ナツはキラキラとしたとびきりの笑顔を向けると、私の体をギュッと抱きしめた。
五年分のその想いを全部私に伝えるように、ギュッと。