【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−

「じゃあさ、先生辞めて沖縄に来た俺のことをダサいと思う？」


「思わ、ない、けどさ」


でも、ナツみたいに自由にやって上手くいくとは限らない。成功する人の方が少ないと思うよ。


「まだハタチだろ？大丈夫。俺の想いが、必ず冬花を輝く未来に導くからさ！」


悔しいくらい眩しいナツ。ナツが大丈夫って言ってくれると、不思議と大丈夫な気がする。


「私、もう少し、自分のやりたいこともゆっくり考えてみようかな」


「ん！その言葉が聞けたら、オジサンは十分なに嬉しいよ」


今朝のことをネタにしたのだろう。それとも根に持っているのか。


でも、その言い方さえもなんだけ可愛くて息を漏らして笑うと、ナツもとびきりの優しい笑顔に顔を緩めた。