【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
そして、ナツの残りの片手が私の身体の上でしばらくさ迷っているような気配がしたけれど、しばらくすると、ナツのその手は私を強く抱きしめた。
「今日はやけに積極的なんだね。姫がこうだと、俺の調子が狂うなあ」
ナツの言葉が冗談じゃなく本当なのは、ナツの速くなる鼓動が物語っていた。
「ナツ……ずっと好きでいてもいいかな?ワガママ言わないから、好きでいても」
ぽつり、と呟くと、ナツ頭を優しく撫でていた手の動きを強くして、更に体が密着するようにきつく私を抱きしめる。
このままナツの体の一部になれたらいいのに。そしたら、もう離れる心配なんかしなくて済むのに。
ワガママ言わないって言ったばかりなのに、頭の中は叶わないことばかりを願ってやまない。
「今日はやけに積極的なんだね。姫がこうだと、俺の調子が狂うなあ」
ナツの言葉が冗談じゃなく本当なのは、ナツの速くなる鼓動が物語っていた。
「ナツ……ずっと好きでいてもいいかな?ワガママ言わないから、好きでいても」
ぽつり、と呟くと、ナツ頭を優しく撫でていた手の動きを強くして、更に体が密着するようにきつく私を抱きしめる。
このままナツの体の一部になれたらいいのに。そしたら、もう離れる心配なんかしなくて済むのに。
ワガママ言わないって言ったばかりなのに、頭の中は叶わないことばかりを願ってやまない。