【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−

「これから一ヶ月、短い間だけどよろしくな。楽しくやろう」


美し過ぎる、広がる不思議な空間の中。


真っ白と真っ青しか広がっていない空間の中。


それをバックに、あんたは、ナツは小麦色の肌と白い歯と、所々に星のようにちりばめられたピアスと一緒に笑った。


笑い声が、海と一緒に柔らかに響く。


そんな笑顔を見た瞬間、お父さんに嵌められたことも、不思議と許せてしまった。


馬鹿みたいだけど単純に、就活とか、そんなものはどうでもよい気がしてしまった。


私の夏は、求めようが求めまいが、今、ここから始まったんだ。


そう思い知らされた、沖縄の一日目は、あっという間なのに、まったりと時間を緩めてる。