【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
朝から気持ちがブルーなまま下に降りると、寮の住人らしき若い男女十数人が大きなテーブルを囲んでご飯を食べていた。


皆高校生くらいで、おそらく近くの高校に通っている子達なのだろう。


夏休みだし、実家にでも帰ってあげればいいのに、なんて、人事のように思ってしまったり。


まあ、多分部活で残っているのだろう。


その十数人の中に、私の見知った人間が一人。


「おっ!フユちゃんおはよっス!顔色悪いっスねぇ。もしかして昨日、ナツさんにハブ酒でも盛られちゃいました?」


「おはよ。まあ、そんなとこ。はは」


朝から存在感のある金髪を揺らすのは、『Spiel』のカズ。


この子もここに下宿してるんだ。だからナツとあれだけ親しいわけね。
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