【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
私はこの慣れない環境下で、少しでも慣れ親しんでいるカズの左側に座る。


「昨日ナツと地元の大人達に酒盛られてね。なんで皆あんなに酒豪なんだろう」


「ハハ!あの人達は気付いたら飲んでる人種っスから。フユちゃんドンマイっス」


カズは白金の傷んだ髪の毛を揺らしながら笑う。


この子は全部が白い。髪の毛も、肌も、歯も、着ているTシャツも全部。


まるでこの地の海と対比する、あの純粋な砂浜のよう。


「今日はナツ様特製にんじんしりしりーだよー!」


二人で会話していると、エプロン姿のナツが大きな皿を持って大声を出した。


やっぱり、あの顔にこのエプロンは笑わずには居られない絵面なんだけど、笑いがこみ上げるのは私だけなのかな。
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