【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
私も小皿にそのにんじんしりしりーを取る。もう、それだけでいい匂いが漂って、食欲を唆る。
口に含むと、まず挨拶をするように、にんじんと玉子の甘味が広がる。
更にふわん、とマヨネーズと、これは……ツナの味?
「美味しい……優しい、味」
私が言葉を漏らすと、近くにいたナツは唇のピアスを揺らしニヤリと笑う。
「冬花から美味しいが出ましたー!イエーイ!」
朝から賑やかに指笛をかますナツに、寮の住人の子達は煩そうにしながらも楽しそう。
私はこの楽しい雰囲気を噛み締めるように目の前のにんじんしりしりーを一口、口に含んだ。
この空間みたいな、温かくて、涙が滲むような優しい味を。
口に含むと、まず挨拶をするように、にんじんと玉子の甘味が広がる。
更にふわん、とマヨネーズと、これは……ツナの味?
「美味しい……優しい、味」
私が言葉を漏らすと、近くにいたナツは唇のピアスを揺らしニヤリと笑う。
「冬花から美味しいが出ましたー!イエーイ!」
朝から賑やかに指笛をかますナツに、寮の住人の子達は煩そうにしながらも楽しそう。
私はこの楽しい雰囲気を噛み締めるように目の前のにんじんしりしりーを一口、口に含んだ。
この空間みたいな、温かくて、涙が滲むような優しい味を。