【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
「だあーっ!嵌めたな!?ってかこんなのどこで手に入れたの!?軽犯罪チック!」


「ははは。そんなのディスカウントショップに行けばパーティー用品に売ってあるさ」


一体パーティーのどの場面でこんなの使うのさ。娘に使うってどういう神経?


深夜二時。私は父さんの軽トラで両手の自由は車のシートに手錠で奪われ、どこかへ連れて行かれている。


「荷物は後で送るから。心配しなくていいぞ」


「げっ!お父さんが部屋に入るとかマジでありえない!キモイ!」


そう。『明日の便』だなんて真っ赤な嘘。


きっと明日私が上手いことはぐらかすのが分かっていたから、お酒をいっぱい飲ませて夜中に私を運び出したんだ。


ってことは、これから到着する目的地は一つしかないわけで……。
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