【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
そんな状況だし、今日はあの呑んべぇさん達に捕まらないで、翌日に残らないように、と私は働き終えたあと真っ直ぐ寮に帰った。


沖縄の夏は蒸し暑い。クーラーの完備されていない部屋で、洗面器に大きな氷を入れて、扇風機の風を少し冷たくして寝る。


最初こそ寝苦しかったけど、扇風機の風がちょっとだけ冷たかったのと、疲れもあって、私はいつの間にかうとうとしていた。


その眠るまでの時間もやっぱりゆったり流れていて、沖縄に来てまだ二日しか経ってないのに、もう何日もいるような感覚。


そんな優しい感覚を感じながら、私は夢の中へ引き込まれた。


願わくばこんな日々がずっと続けば、なんて、夢物語を抱きつつ。
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