【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
「冬花、ケガ、してるんだろ?手当てするからこっちへおいで」
ナツは私の肩をぽんぽん、と優しく叩き、アヤにガラスの掃除を命じて歩いて行く。
「アヤ、ごめんね。私のせいで仕事増やしちゃって」
「良いよ!そんなこといちいち気にすんなって。それより、良かったねえ、フユ!」
何が良かったのかよく分からない私は首を傾げる。
するとアヤはニヤリと笑い「後で教えてやるから」と耳打ちして箒とちり取りを取りに走って行った。
私も意味は分からなかったが、騒ぎを起こして恥ずかしいのもあって先を歩く、小さくなりつつあるナツを慌てて追い掛けた。
この背中は、知らない大人じゃなくて、もう知りつつある温かな大人のナツの背中、だよね?
ナツは私の肩をぽんぽん、と優しく叩き、アヤにガラスの掃除を命じて歩いて行く。
「アヤ、ごめんね。私のせいで仕事増やしちゃって」
「良いよ!そんなこといちいち気にすんなって。それより、良かったねえ、フユ!」
何が良かったのかよく分からない私は首を傾げる。
するとアヤはニヤリと笑い「後で教えてやるから」と耳打ちして箒とちり取りを取りに走って行った。
私も意味は分からなかったが、騒ぎを起こして恥ずかしいのもあって先を歩く、小さくなりつつあるナツを慌てて追い掛けた。
この背中は、知らない大人じゃなくて、もう知りつつある温かな大人のナツの背中、だよね?