【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
それからの私は掃除中心に仕事を手伝い、いつもより早めに片付けが済んだので早めに解散。
さっさと帰ろうとするアヤのショルダーバッグを掴み、それを引き止める。
「うお!なんだフユ?びっくりしたあ」
「アヤ、さっきのナツの言葉の意味」
私がただ一言そう言うと、アヤはニンマリ笑う。それはもう、お見合いで世話を焼くおばさんみたいな、絵に描いたような顔。
「あーね。ナツさんに直接聞いて教えてもらえなかったんだ。ふーん」
「まあ……そう」
ニヤニヤしっぱなしのアヤの締まらない顔に、私は眉間にシワを寄せて頷く。
すると、アヤはそっと私の耳元によって、楽しそうに囁いた。