【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
カズに少しだけムカッとしたまま下に行くと、ナツがノースリーブ姿で待っていた。


鍛え上げられた腕が日焼けして小麦色で、なんだか綺麗。ナツの肌は、痛み知らずの綺麗な肌だと思う。


「ゴメンな。お酒の買い出し手伝ってほしいんだ。この空間には大人は俺達しかいないからさ」


ナツの申し出にうん、と頷くと、代わりに笑顔が返ってきた。


その笑顔のせいで、カズへのムカムカが飛び、そのかわり、私にはドキドキが舞い降りた。


あーもー……どうにかならないかなこれ。


今までこんな風になった時、私ってどうやって動いてたんだっけ。


考えても考えても、全くもって、その答えが引っ張り出せない。誰か、どうにかしてよ。
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