【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
ナツはバス停の屋根から出て空を見渡す。
「雨、止んだね。 空が綺麗な夕日だよ」
ナツが無邪気に笑い私の方を向いたから、私もバス停の屋根から出て空を見る。
夕立が去ったばっかりで雲がかかっているけど、橙色が雲を染め、なんだか綺麗。
「冬花、これからしばらくよろしくね」
ナツは私に微笑み、そしてすっと顔を私に近付けた。
あ、キスされるのかな、なんて思っていると、額に舞い降りる、温かく柔らかなモノ。
“ちゅっ”という音が、額にキスをされたんだ、ということを改めて自覚させる。
されるかも、なんて予想出来てたくせに、実際されるとカーッと顔が熱くなる。
目をぎょろりと動かして、大人の余裕が滲むようなナツを見ると、ナツは口を押さえて笑っている。
余裕無いのが私だけだと分かると、もっと体温がカーッと上がる。
顔の熱さと橙色が、私とナツの夏のスタートを言い表しているようだった。
「雨、止んだね。 空が綺麗な夕日だよ」
ナツが無邪気に笑い私の方を向いたから、私もバス停の屋根から出て空を見る。
夕立が去ったばっかりで雲がかかっているけど、橙色が雲を染め、なんだか綺麗。
「冬花、これからしばらくよろしくね」
ナツは私に微笑み、そしてすっと顔を私に近付けた。
あ、キスされるのかな、なんて思っていると、額に舞い降りる、温かく柔らかなモノ。
“ちゅっ”という音が、額にキスをされたんだ、ということを改めて自覚させる。
されるかも、なんて予想出来てたくせに、実際されるとカーッと顔が熱くなる。
目をぎょろりと動かして、大人の余裕が滲むようなナツを見ると、ナツは口を押さえて笑っている。
余裕無いのが私だけだと分かると、もっと体温がカーッと上がる。
顔の熱さと橙色が、私とナツの夏のスタートを言い表しているようだった。